親子留学を考え始めると、親は学校や費用、航空券、滞在先など、たくさんのことを調べ始めます。
調べれば調べるほど、
「ここなら子どもも楽しそう」
「この環境なら英語も伸びそう」
「この期間なら行けそう」
と、少しずつ具体的なイメージができてきます。
そこで一度、立ち止まって考えてみたいことがあります。
「子ども自身は、どう思っているのだろう?」
ということです。
親子留学は、親だけが行くものではありません。
実際に海外で学校へ通い、生活するのは子ども自身です。
だからこそ、親が先に答えを決めてしまうのではなく、子どもの気持ちを聞きながら考えていくことが大切です。
- 「親子留学に行きたい?」だけでは分からない
- まず「何が楽しそう?」と聞いてみる
- 「不安なこと」も同じように聞く
- 子どもの答えをすぐに評価しない
- 親が「こう答えてほしい」と思っていないか考える
- 「分からない」という答えも大切にする
- 子どもの希望は一度聞いたら終わりではない
- 「どこに行きたい?」より「どう過ごしたい?」
- 子どもの「やりたくない」も大切な情報
- 子どもに「決定責任」まで背負わせない
- 親の考えも子どもに伝えていい
- 子どもの意見を聞くことは「何でも子どもの言う通りにする」ことではない
- 「子どもの声を聞く」ことそのものに意味がある
- 「行く・行かない」より先に、子どもの気持ちを知る
- DEECが考える「選択肢教育」
- 子どもの答えを急がなくていい
「親子留学に行きたい?」だけでは分からない
子どもの気持ちを知りたいとき、
「親子留学、行きたい?」
と聞くのは自然なことです。
ただ、この質問だけでは、子どもの本当の気持ちまでは分からないことがあります。
「行きたい」と答えていても、
「海外に行くのが楽しそう」
という意味かもしれません。
「学校に行くのは少し不安だけど、旅行みたいで楽しそう」
と思っているのかもしれません。
反対に、
「行きたくない」
と答えたとしても、
「英語ができないから怖い」
「友達と離れるのが嫌」
「飛行機が不安」
という具体的な理由があるのかもしれません。
だから、「行きたいか、行きたくないか」だけで判断しないことが大切です。
まず「何が楽しそう?」と聞いてみる
子どもの希望を聞くときは、答えを誘導しない質問から始めてみてもいいでしょう。
例えば、
「海外で何をしてみたい?」
「何が一番楽しそう?」
「どんなところが気になる?」
と聞いてみます。
すると、
「外国の学校に行ってみたい」
「海で遊びたい」
「外国の友達がほしい」
「英語を使ってみたい」
「飛行機に乗るのが楽しみ」
など、子どもによって違う答えが出てくるかもしれません。
親からすると小さなことに見える答えでも、子どもにとっては大切な期待かもしれません。
まずは評価せずに聞いてみる。
それだけでも、子どもの考えていることが少し見えてきます。
「不安なこと」も同じように聞く
楽しみだけを聞いていると、子どもの不安が見えないことがあります。
そこで、
「逆に、ちょっと心配なことはある?」
と聞いてみます。
例えば、
「英語が分からなかったらどうするの?」
「学校で友達ができなかったら?」
「日本に帰りたくなったら?」
「食べられないものがあったら?」
「お父さんがいなかったら寂しい」
など、さまざまな不安が出てくる可能性があります。
ここで大切なのは、すぐに解決しようとしないことです。
「大丈夫だよ」
「そんなことないよ」
「行けば慣れるよ」
とすぐに答えるのではなく、
「そう思っているんだね」
と、まず受け止める。
不安を口にできること自体が、準備の一部になることがあります。
子どもの答えをすぐに評価しない
子どもが、
「海で遊びたい」
と言ったとします。
親としては、
「せっかく海外まで行くのだから、英語を頑張ってほしい」
と思うかもしれません。
でも、最初の目的が「海で遊びたい」でも構いません。
子どもにとっては、それが海外へ行ってみたいと思える入口だからです。
その気持ちを、
「そんな理由?」
と否定してしまうと、子どもは自分の本当の気持ちを話しにくくなります。
親が求めている答えと違っていても、まず聞いてみる。
それが、子どもの希望を知るための大切な姿勢です。
親が「こう答えてほしい」と思っていないか考える
子どもの話を聞く前に、親自身が少し確認しておきたいことがあります。
「私は、子どもにどんな答えを期待しているだろう?」
ということです。
例えば、
「行きたいと言ってほしい」
「英語を勉強したいと言ってほしい」
「海外に興味を持ってほしい」
「せっかく行くなら頑張ってほしい」
という気持ちがあるかもしれません。
それ自体は悪いことではありません。
親にも親の希望があります。
ただ、その希望が強くなると、子どもの答えを無意識に誘導してしまうことがあります。
「本当に行きたい?」
と何度も聞けば、子どもは親の期待を感じ取るかもしれません。
だからこそ、
「親の希望」と「子どもの希望」を一度分けて考えてみることが大切です。
「親の希望」と「子どもの希望」を一度分けて考えてみると、実際に希望が違っていた場合にも、家族で整理しやすくなります。
「分からない」という答えも大切にする
子どもに聞いても、
「分からない」
という答えが返ってくることがあります。
これは、親子留学に興味がないという意味とは限りません。
まだ経験したことがないから、想像できないだけかもしれません。
海外の学校がどんなところなのか知らない。
海外で生活したことがない。
英語を使う場面を想像できない。
そうであれば、答えられなくても当然です。
そんなときは、
「じゃあ、一緒に調べてみようか」
というところから始めてもいいでしょう。
写真を見たり、学校の様子を調べたり、海外生活について話したりする。
情報が増えることで、子どもの気持ちも少しずつ変わるかもしれません。

子どもの希望は一度聞いたら終わりではない
子どもの気持ちは、最初に聞いたときから変わることがあります。
最初は、
「行きたい」
と言っていたのに、学校のことを詳しく知ると、
「ちょっと不安」
になることもあります。
逆に、最初は興味がなかった子が、写真や動画を見て、
「行ってみたい」
と思うこともあります。
だから、
「前に行きたいって言ったよね」
と、過去の答えを固定しないことも大切です。
親子留学を決めるまでには時間があります。
その間に、何度か話していいのです。
「どこに行きたい?」より「どう過ごしたい?」
子どもに留学先を選ばせることが目的ではありません。
まだ小さな子どもなら、具体的な地域や学校を選ぶのは難しいでしょう。
それよりも、
「どんなところで過ごしたい?」
と聞いてみるほうが、子どもの希望を知りやすい場合があります。
例えば、
「自然があるところがいい」
「人がたくさんいるところがいい」
「静かなところがいい」
「海が近いところがいい」
「学校で友達を作りたい」
などです。
こうした答えは、実際の留学先を考えるときのヒントになります。
親が全部決めるのではなく、子どもの希望も判断材料の一つにする。
それだけでも、親子留学の決め方が少し変わります。
子どもの「やりたくない」も大切な情報
希望を聞くときは、
「やりたいこと」だけでなく、
「やりたくないこと」
も聞いてみるといいでしょう。
例えば、
「長期間は嫌」
「日本の友達と離れたくない」
「毎日英語の勉強をするのは嫌」
「知らない人ばかりの学校は不安」
などです。
親から見ると、こうした言葉は「わがまま」に聞こえることもあります。
でも、そこには子どもなりの理由があります。
「それは嫌なんだね」
と一度受け止めて、
「じゃあ、どうだったら大丈夫そう?」
と聞いてみる。
すると、子ども自身が条件を考え始めることがあります。
子どもに「決定責任」まで背負わせない
子どもの希望を聞くことと、子どもにすべてを決めさせることは違います。
親子留学には、
費用。
仕事。
学校。
滞在期間。
安全面。
家族全体の生活。
帰国後の学校生活。
など、子どもだけでは判断できないことがあります。
だから、
「あなたが行きたいと言ったから行くよ」
と、すべての責任を子どもに背負わせる必要はありません。
親が最終的な責任を持ちながら、
「あなたはどう思う?」
と子どもの意見を聞く。
このバランスが大切です。
親の考えも子どもに伝えていい
子どもの希望を尊重するからといって、親が自分の気持ちを隠す必要もありません。
例えば、
「お母さんは、海外で生活する経験をしてみてほしいと思っている」
「お父さんは仕事のことが少し心配」
「家族で一緒に行けたら楽しそうだと思っている」
と伝えてもいいのです。
親にも考えがあります。
子どもにも考えがあります。
それぞれの気持ちを出したうえで、
「じゃあ、どうしようか」
と一緒に考える。
これが家族で決めるということなのだと思います。
子どもの意見を聞くことは「何でも子どもの言う通りにする」ことではない
ここは、親子留学を考えるときに誤解しないようにしたいところです。
子どもの希望を聞いたからといって、すべてその通りにしなければならないわけではありません。
子どもが、
「1年間行きたい」
と言っても、家庭の事情で難しいかもしれません。
「毎日遊びたい」
と言っても、学校へ通う必要があります。
「日本には帰りたくない」
と言っても、帰国する時期は決まっているかもしれません。
それでも、
「そう思っているんだね」
と聞くことには意味があります。
意見を聞くことと、希望をすべて実現することは別だからです。
「子どもの声を聞く」ことそのものに意味がある
こども家庭庁も、こども・若者が自分の意見を表明することや、その声を聴くことを重要な取り組みとして位置づけています。
親子留学の話も、もちろん行政の政策決定とは違います。
ただ、
「子どものことだから、親が全部決める」
のではなく、
「本人はどう感じているのか」
を確認するという考え方は、家庭の中でも大切にできるでしょう。
親子留学という大きな経験だからこそ、子ども自身の気持ちを置き去りにしないことが大切です。
「行く・行かない」より先に、子どもの気持ちを知る
親子留学について子どもに聞くとき、
「行きたい?」
という一つの質問だけで結論を出す必要はありません。
楽しみなこと。
不安なこと。
やってみたいこと。
やりたくないこと。
知りたいこと。
まだ分からないこと。
いろいろな気持ちを聞いてみる。
そして、親自身の希望も伝える。
そのうえで、
「家族としてどうするか」
を考えていけばいいのです。
DEECが考える「選択肢教育」
DEECが大切にしている「選択肢教育」は、親が子どものために一つの正解を決めてあげることではありません。
海外に行く。
行かない。
短期間にする。
長期間にする。
今ではなく、数年後にする。
日本で別の経験をする。
さまざまな選択肢を知ったうえで、その家庭に合う道を考えることです。
そのためには、まず子ども自身が何を感じているのかを知ることが大切です。
親が先に答えを決めてしまわなければ、子どもから思いがけない言葉が出てくることもあります。
それが、家族で親子留学を考える最初の一歩になるかもしれません。
子どもの答えを急がなくていい
親子留学は、今日決めて明日出発する必要はありません。
「今は分からない」
「もう少し調べたい」
「楽しみだけど不安」
という答えでも大丈夫です。
むしろ、そうした曖昧な気持ちをそのまま話せることが大切なのかもしれません。
親が答えを急がず、
「どう思っている?」
「何が気になる?」
「何だったら楽しそう?」
と少しずつ聞いていく。
その時間そのものが、親子留学について家族で考える大切な時間になります。
そして最終的に、
「行く」
という結論にならなくても構いません。
子どもの気持ちを知ったことで、
「今はまだ早い」
「もう少し先にしよう」
という判断になることもあります。
それも家族にとって大切な選択です。
親子留学では、親が考える目的だけでなく、子どもの希望や不安も含めて、家族として無理のない留学にするための条件を整理しておくことが大切です。
「親子留学を考え始めたら、最初に家族で決めたいこと|目的より先に整理する5項目」 も参考にしてください。
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