親子留学を考えている保護者から、
「英語の授業は分かるとしても、算数や理科まで英語だったら大丈夫?」
という心配を聞くことがあります。
これは、とても自然な不安です。
英語そのものなら、少しずつ覚えていけばいい。
でも、算数や理科は日本語でも難しいことがあります。
それを英語で学ぶとなると、
「うちの子には難しすぎるのでは?」
と思ってしまうのも無理はありません。
例えば算数なら、計算そのものだけではなく、問題文を読む必要があります。
理科なら、実験や観察の説明、専門的な言葉を理解する必要があります。
つまり、単純に「英語が話せるかどうか」だけではなく、
「英語を使って教科を理解できるか」
という別の問題が出てきます。
ただし、ここで大切なのは、
最初からすべてを英語で完璧に理解できる必要はない
ということです。
子どもは、学校生活の中で少しずつ英語に慣れながら、教科の内容も学んでいきます。
今回は、親子留学で算数や理科などを英語で学ぶ場合に、保護者が知っておきたいポイントを整理します。
- 英語の授業と「英語で教科を学ぶ」は少し違う
- 「算数ができる」だけでは文章問題が難しいことがある
- 理科は専門用語が増えるので最初は戸惑いやすい
- 図や写真、実物があると理解しやすい
- 子どもが最初から全部理解できなくても大丈夫
- 子どもが「分からない」と言える環境が大切
- 英語が苦手でも「教科が得意」という子どもはいる
- 家庭では「英語の勉強」だけを増やさなくてもいい
- 家庭で教科の日本語を確認する方法もある
- 子どもの年齢によってサポート方法は変わる
- 学校見学では授業の様子も見てみる
- 教科を英語で学ぶことには別のメリットもある
- 「英語を話す」だけではない英語経験になる
- 最初は「できないこと」が増えたように見えることもある
- 「分からない」を成長の途中として見る
- 学校選びでは「子どもとの相性」を見る
- 親子留学前にできる準備
- 親が焦らないことも大切
- 「できたこと」を見つける
- 英語で学ぶことは「英語だけの問題」ではない
- 親子留学で「英語で考える」経験を作る
- すべての学校が同じとは限らない
- 入学前に学校へ聞いておきたい質問
- 子どもの「好き」を入り口にする
- 親子留学の価値は「全部できるようになること」ではない
- まとめ|算数や理科を英語で学ぶことも親子留学の経験
英語の授業と「英語で教科を学ぶ」は少し違う
まず理解しておきたいのが、
「英語を学ぶ」
ことと、
「英語で学ぶ」
ことは違うということです。
英語の授業では、
英単語を覚える。
英文を読む。
英語で会話する。
文法を学ぶ。
といったことが中心になります。
一方で、算数や理科を英語で学ぶ場合は、
英語を使って算数や理科の内容そのものを理解する
必要があります。
例えば算数なら、
足し算。
引き算。
掛け算。
割り算。
図形。
文章問題。
といった内容を英語で学ぶことになります。
理科なら、
植物。
動物。
天気。
水。
物質。
実験。
観察。
などの内容を英語で学ぶことがあります。
そのため、親子留学を考える場合は、
「英語の授業がある」
だけでなく、
「他の教科をどの言語で学ぶのか」
という点も確認しておくと安心です。
「算数ができる」だけでは文章問題が難しいことがある
算数そのものは得意なのに、英語で問題を出されると分からない。
これは十分に起こり得ることです。
例えば日本語なら、
「りんごが5個あります。3個食べました。残りはいくつですか?」
と書いてあれば、問題の意味を理解できます。
ところが英語になると、
「何を聞かれているのか」
を理解するために英語力も必要になります。
つまり、
算数の能力
+
英語を読む力
の両方が必要になります。
ここで子どもがつまずいたとしても、
「算数が苦手になった」
とは限りません。
単純に、
「英語で問題を理解することに時間がかかっている」
可能性があります。
この違いを親が理解しておくことは大切です。
理科は専門用語が増えるので最初は戸惑いやすい
理科になると、さらに専門的な言葉が出てきます。
日本語でも、
蒸発。
温度。
重さ。
体積。
密度。
植物の成長。
生物。
など、普段の会話ではあまり使わない言葉があります。
それを英語で学ぶとなれば、子どもが戸惑うのは自然です。
例えば、
「この単語の意味は分からないけれど、実験を見たら何となく分かった」
ということもあります。
反対に、
「単語は知っているけれど、実際に何を意味しているのか分からない」
ということもあります。
だからこそ、理科を英語で学ぶときには、
言葉だけで理解しようとしないこと
も重要です。
図や写真、実物があると理解しやすい
子どもが新しい英単語を覚えるとき、
日本語訳だけを覚えるより、
実物。
写真。
図。
動画。
実験。
などと一緒に覚えたほうが理解しやすいことがあります。
例えば植物について学ぶなら、
plant
leaf
root
flower
などの単語だけを暗記するのではなく、実際の植物を見ながら学ぶ。
水について学ぶなら、
水を入れる。
温度を測る。
氷にする。
変化を見る。
といった経験と一緒に学ぶ。
そうすれば、英語と教科の内容が別々ではなく、
「この言葉は、この現象のことなんだ」
と結びつきやすくなります。
子どもが最初から全部理解できなくても大丈夫
親子留学で最も大切なのは、
「最初から全部分かること」
ではありません。
海外の学校に入ったばかりなら、
先生の英語が速く感じる。
友達の会話が分からない。
教科書の文章が難しい。
問題文の意味が分からない。
そんなことがあっても不思議ではありません。
新しい環境に入ったばかりなのですから、時間が必要です。
特に教科まで英語になる場合、
「英語が分からない」
だけでなく、
「英語が分からないから教科の内容も分からない」
という二重の負担になることがあります。
だから、最初の時期は焦らず、
「今は英語と教科を同時に学んでいる途中」
と考えておくことが大切です。
子どもが「分からない」と言える環境が大切
学校を選ぶときには、
「英語で教科を学べるか」
だけではなく、
「分からないときに質問できる環境か」
も見ておきたいポイントです。
先生に質問できる。
友達に聞ける。
先生がもう一度説明してくれる。
図や実物を使って説明してくれる。
必要に応じてサポートを受けられる。
こうした環境があれば、子どもが分からないまま置いていかれる可能性を減らせます。
親としては、
「英語で授業を受ける」
という部分だけを見るのではなく、
「分からないときのサポート」
にも注目してみてください。
英語が苦手でも「教科が得意」という子どもはいる
英語力と教科の得意不得意は、必ずしも同じではありません。
例えば、
算数は得意だけど英語が苦手。
理科は好きだけど英語を読むのが苦手。
図や絵を見るのが得意。
実験や体験をすると理解が早い。
という子どももいます。
そのため、
「英語が苦手だから、算数や理科も苦手になる」
とは限りません。
むしろ、教科そのものへの興味が強ければ、
「このことを知りたい」
という気持ちが英語を学ぶきっかけになることもあります。
子どもの得意な部分を見つけながら学ぶことが大切です。
家庭では「英語の勉強」だけを増やさなくてもいい
子どもが学校で英語を使って教科を学んでいるからといって、
「家でも英語を何時間も勉強させなければ」
と考える必要はありません。
学校生活そのものが大きな英語環境です。
家では、
今日何を勉強したの?
どんな授業だった?
何が面白かった?
難しかったことはある?
と聞いてみるだけでもいいでしょう。
子どもが、
「今日、scienceでこんなことをやった」
と話したら、
「それは何だったの?」
と聞いてみる。
そこから一緒に調べてみる。
そうした会話も学びになります。
家庭で教科の日本語を確認する方法もある
英語で教科を学ぶことに慣れていない子どもなら、
「英語では何と言うのか」
だけでなく、
「日本語ではどういう意味なのか」
を確認する方法もあります。
例えば、
「volumeって何?」
と聞かれたら、
まず日本語で意味を理解する。
そのうえで、
「英語ではvolumeと言うんだ」
と覚える。
こうすると、
日本語の概念
↓
英語の言葉
という橋を作ることができます。
特に難しい教科用語の場合は、最初から英語だけで理解させようとしないことも一つの方法です。
子どもの年齢によってサポート方法は変わる
低学年の子どもなら、
親が一緒に問題文を見る。
絵を見ながら考える。
分からない言葉を確認する。
というサポートが役立つことがあります。
年齢が上がれば、
自分で単語を調べる。
先生に質問する。
教科書を読み直す。
必要なところだけ親に聞く。
という形に少しずつ変えていけます。
大切なのは、
「親がずっと教える」
ことではありません。
子ども自身が、
「分からないときはどうすればいいのか」
を覚えていくことです。

学校見学では授業の様子も見てみる
もし学校見学ができるのであれば、
「英語で授業をしているか」
だけを見るのではなく、
子どもたちがどのように理解しているか
にも注目してみてください。
先生が一方的に話しているのか。
子どもが質問しているのか。
図や教材を使っているのか。
実際に手を動かす活動があるのか。
子ども同士で話し合っているのか。
こうした部分を見ると、授業の雰囲気が分かりやすくなります。
学校見学については、
👉
学校見学って本当に必要?ドゥマゲッティ留学で失敗しない学校選びのポイント
も参考にしてください。
教科を英語で学ぶことには別のメリットもある
算数や理科を英語で学ぶことは、
「英語力を上げるため」
だけではありません。
英語を使って考える経験にもなります。
例えば、
「これは何?」
「なぜこうなる?」
「どうして?」
「どちらが大きい?」
「どうやって調べる?」
といった問いを英語の環境の中で考えることになります。
もちろん、最初から高度な英語で説明できる必要はありません。
まずは、
聞く。
見る。
考える。
真似する。
短く答える。
少しずつ説明する。
という経験を積み重ねていけばいいのです。
「英語を話す」だけではない英語経験になる
英語というと、
「英会話」
をイメージすることが多いでしょう。
でも、実際には英語を使う場面はもっと広いものです。
先生の説明を聞く。
教科書を読む。
問題文を読む。
ノートを書く。
友達と相談する。
発表する。
質問する。
こうした活動をすべて英語で経験することがあります。
その意味では、
「英語を話す時間」
だけではなく、
英語を使って学校生活を送る時間
が増えることになります。
最初は「できないこと」が増えたように見えることもある
親として少し注意したいのが、
海外の学校に入った直後、
「前より勉強ができなくなった?」
と感じることがあるかもしれないことです。
例えば日本語ならすぐ解ける算数問題を、英語だと時間がかかる。
日本語なら読める文章が、英語だと読めない。
授業で先生が話している内容を全部理解できない。
これだけを見ると、
「学力が落ちた」
ように見えることがあります。
でも実際には、
学力そのものではなく、言語の壁によって時間がかかっている
場合があります。
ここを区別することが重要です。
「分からない」を成長の途中として見る
親としては、
「せっかく留学したのだから、もっとできてほしい」
と思ってしまうかもしれません。
でも、海外の学校に入ったばかりの子どもが、
「分からない」
と言うのは、必ずしも悪いことではありません。
むしろ、
「ここが分からない」
と自分で認識できることが大切です。
そして、
先生に聞く。
親に聞く。
友達に聞く。
調べる。
もう一度やってみる。
この行動ができるようになる。
それが海外で学ぶ経験の一つです。
学校選びでは「子どもとの相性」を見る
英語で教科を学ぶ学校を選ぶ場合、
「英語で授業をしている」
だけで決める必要はありません。
子どもの性格。
年齢。
英語力。
教科の得意不得意。
学習スタイル。
先生との相性。
クラスの雰囲気。
学校のサポート体制。
こうしたことを合わせて考えることが大切です。
例えば、
人前で質問するのが苦手な子どもなら、先生へ質問しやすい環境かどうかを見る。
体験型の学習が好きなら、実験や活動の多い授業かどうかを見る。
静かに集中するタイプなら、落ち着いて学べる環境かどうかを見る。
「英語で学ぶ」という一つの条件だけではなく、
「この子が学びやすいか」
という視点を持ってください。
親子留学前にできる準備
出発前から、英語で算数や理科を完璧に勉強する必要はありません。
ただ、
簡単な英語に触れておく。
英語の動画を見る。
数字や色、形などの英語を知っておく。
簡単な質問表現を覚えておく。
分からないときの言い方を練習しておく。
といった準備はできます。
例えば、
「I don’t understand.」
「Can you say it again?」
「What does this mean?」
など、
「分からないときに使える表現」
をいくつか知っているだけでも安心感につながります。
重要なのは、
「たくさん暗記する」
ことより、
「分からないときに助けを求められる」
ことです。
親が焦らないことも大切
子どもが英語の授業で苦労していると、
「もっと勉強させないと」
と思ってしまうかもしれません。
しかし、親が焦りすぎると、子どもにもプレッシャーがかかります。
特に、
学校。
英語。
海外生活。
新しい友達。
新しい文化。
という環境に慣れている途中なら、疲れていることもあります。
まずは学校生活に慣れる。
そのうえで、少しずつ教科の英語にも慣れていく。
という考え方でいいでしょう。
「できたこと」を見つける
親子留学中は、
「まだこれができない」
というところに目が行きやすくなります。
でも、
先生の指示が分かった。
算数の問題を一つ解けた。
理科の単語を一つ覚えた。
友達に質問できた。
授業で手を挙げられた。
ノートを自分で書けた。
こうした小さな変化を見つけてあげることも大切です。
子どもにとっては、
「自分でもできた」
という経験が次の挑戦につながります。
英語で学ぶことは「英語だけの問題」ではない
算数や理科を英語で学ぶ場合、
「英語力が高ければ問題ない」
と考えがちです。
でも実際には、
教科の理解。
読む力。
聞く力。
考える力。
質問する力。
集中力。
そして環境への適応。
さまざまな要素が関係します。
だからこそ、
「英語がどれくらい話せるか」
だけで子どもの学習を判断しないことが大切です。
親子留学で「英語で考える」経験を作る
日本では、英語は「教科」として学ぶことが多いでしょう。
海外の学校では、英語を使って別の教科を学ぶ場面があります。
これは子どもにとって、
「英語を勉強する」
から、
「英語を使って何かを知る」
への変化でもあります。
英語そのものが目的ではなく、
英語を道具として使う。
この経験は、親子留学で得られる学びの一つです。
すべての学校が同じとは限らない
ここは非常に重要です。
「海外の学校では算数も理科も英語」
と一括りに考えることはできません。
学校によって、
授業言語。
カリキュラム。
学年。
教科。
サポート体制。
英語の使用割合。
などは異なります。
そのため、
「親子留学をするなら必ず全部英語」
と考える必要もありません。
希望する学校について、
「どの教科を何語で学ぶのか」
を事前に確認することが大切です。
入学前に学校へ聞いておきたい質問
親子留学を考えているなら、学校へ次のような質問をしてみるとよいでしょう。
授業について
・算数は何語で授業をしますか?
・理科は何語で授業をしますか?
・教科書は英語ですか?
・宿題も英語ですか?
また、学校で学んだことを家庭でどのようにつなげるのかも、親子留学前に知っておくと安心です。
英語力について
・英語初心者でも受け入れ可能ですか?
・授業が理解できない場合のサポートはありますか?
・先生に質問できる環境ですか?
学習サポートについて
・補習などはありますか?
・追加サポートはありますか?
・家庭でどのような学習をすればよいですか?
こうした質問を事前にしておけば、入学後のイメージを持ちやすくなります。
子どもの「好き」を入り口にする
英語で教科を学ぶ場合、
子どもが好きな分野を入り口にするのも一つの方法です。
恐竜が好き。
動物が好き。
宇宙が好き。
植物が好き。
実験が好き。
数字が好き。
そうした興味があれば、そのテーマを英語で少し見てみる。
「これ英語では何て言うんだろう?」
と調べる。
そうすると、
英語=勉強
ではなく、
英語=知りたいことを知るための道具
という感覚が生まれることがあります。
親子留学の価値は「全部できるようになること」ではない
親子留学をすると、
「英語がペラペラになる」
「どの教科も英語で完璧にできる」
という結果だけを期待したくなるかもしれません。
でも、海外生活の価値はそれだけではありません。
最初は分からなかった。
先生に聞いてみた。
友達に教えてもらった。
もう一度やってみた。
少し分かった。
次は一人でできた。
こうした経験が積み重なっていきます。
英語力だけではなく、
「分からなくてもやってみる」
という姿勢が身につくことがあります。
まとめ|算数や理科を英語で学ぶことも親子留学の経験
親子留学で海外の学校に通うと、英語そのものだけではなく、算数や理科などの教科を英語で学ぶことがあります。
最初は、
「英語で算数なんて大丈夫?」
「理科の専門用語が分からなかったら?」
と心配になるかもしれません。
でも、最初から完璧に理解できる必要はありません。
英語を聞く。
図を見る。
実物を見る。
授業を受ける。
分からないことを質問する。
家で振り返る。
こうした経験を繰り返しながら、少しずつ慣れていきます。
そして大切なのは、
「英語が話せるか」
だけではありません。
英語を使って、
考える。
読む。
聞く。
書く。
質問する。
友達と話す。
問題を解く。
という経験を積むことです。
学校によって授業の進め方やサポート体制は違うため、親子留学を決める前には、
「どの教科を何語で学ぶのか」
「英語がまだ十分でない場合はどんなサポートがあるのか」
を確認しておきましょう。
そして、子どもが最初に苦労したとしても、
「できない」
と決めつけないでください。
英語の壁なのか。
教科そのものの難しさなのか。
新しい環境への緊張なのか。
疲れているのか。
原因を一つずつ見ていくことが大切です。
親子留学は、英語を学ぶだけの経験ではありません。
英語を使って学校で学び、
分からないことに向き合い、
人に質問し、
自分で考え、
少しずつできることを増やしていく。
そんな経験そのものが、子どもの将来につながることがあります。
「英語で算数や理科を学べるかな?」
という不安がある方も、最初から完璧を求めるのではなく、
「この子が無理なく学べる環境はどこなのか」
という視点から学校を見てみてください。
親子留学では、できることが一つ増えるたびに、子どもの世界も少しずつ広がっていきます。
親子留学では、学校での学びだけでなく、住まいや生活環境まで含めて、子どもが安心して過ごせる環境を考えることが大切です。
「ドゥマゲッティ親子留学完全ガイド|学校・住まい・生活まで最初に知っておきたいこと」 も参考にしてください。
👉 学校見学って本当に必要?ドゥマゲッティ留学で失敗しない学校選びのポイント

