- 親子留学で子どもに残るものは、英語だけではありません
- 海外では、日本なら簡単にできることが少し難しくなる
- 「分からない」から、子どもの学びが始まる
- 料理をする前から、すでに学びは始まっている
- 「お母さんが料理をすること」が大切なのではありません
- 「生きる力」は、特別な授業だけで育つものではない
- 現地で料理をすると、街の見え方も変わってくる
- では、実際にフィリピンの家庭ではどんな料理を作るのか
- 料理は「英語の勉強」ではなくても、学びになる
- 子どもに「何をさせるか」より、親がどんな姿を見せるか
- 親子留学だからこそ、「一緒に暮らす」ことに意味がある
- 「生きる力」は、派手な体験だけから生まれるわけではない
- 親子留学で大切なのは、子どもを変えることだけではない
- 「こんな暮らしもある」と知ることが、選択肢になる
- 親子留学は「英語を学ぶ場所」から「暮らしを学ぶ場所」へ
- 親子で海外に「暮らしてみる」という選択肢
親子留学で子どもに残るものは、英語だけではありません
「せっかく親子留学をするなら、子どもに英語を身につけてほしい」
そう考えるのは、とても自然なことだと思います。
学校で英語を学び、現地の人と英語で話し、日本とは違う環境で過ごす。
親子留学を考えるとき、どうしても「子どもが何を学ぶか」に目が向きます。
でも、フィリピンで長く暮らしてきた私が、親子留学について考えるときに、もう一つ大切だと思っていることがあります。
それは、子どもは親が海外で生活している姿を、思っている以上によく見ているということです。
例えば、現地のスーパーや市場で食材を買う。
日本では見慣れない野菜を見つける。
名前が分からない。
値段も日本とは違う。
どうやって料理するのかも、最初はよく分からない。
それでも、母親が調べたり、人に聞いたり、考えたりしながら食材を選ぶ。
そして家に帰り、実際に料理を作ってみる。
うまくいくかどうか分からなくても、とりあえずやってみる。
その姿を、子どもは見ています。
私は、ここに親子留学の面白さの一つがあると思っています。
海外では、日本なら簡単にできることが少し難しくなる
私はフィリピンで長く生活してきました。
その中で何度も感じてきたのが、日本なら当たり前にできることが、海外では少し難しくなるということです。
これは、フィリピンの生活が悪いという話ではありません。
生活する場所が変われば、当たり前も変わるということです。
例えば、料理をしようと思っても、こんな場面があります。
| 日本では | 海外生活では |
|---|---|
| いつもの食材を買える | 見慣れない食材がある |
| 商品名を見れば分かる | 名前が分からないことがある |
| いつもの量や価格が分かる | 値段や量の感覚が違う |
| 料理方法も想像しやすい | どう使うのか分からない食材もある |
日本にいるときなら、何も考えずにできていた買い物が、海外では小さな問題になります。
でも、私はこの「少し困る」という状態が、必ずしも悪いことではないと思っています。
なぜなら、そこから考えることが始まるからです。
「分からない」から、子どもの学びが始まる
例えば、お母さんが市場で見慣れない野菜を見つけたとします。
「これは何だろう?」
「食べられるのかな?」
「どうやって料理するんだろう?」
「このくらいの値段なら買ってみようかな?」
そんなことを考えながら、食材を選びます。
分からなければ、店の人に聞くこともあるでしょう。
スマートフォンで調べることもあるかもしれません。
知っている人に聞いてみることもできます。
そして、最終的には自分で選びます。
私は、この一連の流れそのものが、子どもにとって大切な経験になると思っています。
分からなくても、そこで止まらない
学校の勉強では、問題には答えがあることが多いものです。
でも、海外生活では「正解が分からないところから始まる」ことがあります。
何を買えばいいのか分からない。
どう聞けばいいのか分からない。
どちらを選べばいいのか分からない。
それでも、考えてみる。
聞いてみる。
調べてみる。
やってみる。
そして、もしうまくいかなければ、もう一度考える。
この経験は、英単語を一つ覚えることとは違った意味で、子どもの中に残るものではないでしょうか。
料理をする前から、すでに学びは始まっている
「料理」と聞くと、料理そのものを学ぶことだと思うかもしれません。
でも、親子留学で現地の料理を作る場合、実際には料理を始める前からたくさんの経験があります。
① 食材を見る
日本では見たことのない野菜や果物に出会う。
「これは何だろう?」と考える。
② 食材を選ぶ
全部を買うわけにはいきません。
何を買うのか、自分で選びます。
③ 分からなければ聞く
店の人や周囲の人に聞いてみる。
言葉が十分に通じなくても、身振りや指差しなどで伝えようとすることもあります。
④ 実際に作ってみる
調べた通りにやってみても、思ったようにならないことがあります。
そこで、また考えます。
⑤ 家族で食べてみる
最後は家族で食卓を囲みます。
「おいしいね」となるかもしれません。
「ちょっと違ったね」となるかもしれません。
どちらでもいいのだと思います。
大切なのは、自分たちで考えて、選んで、やってみたという経験です。
「お母さんが料理をすること」が大切なのではありません
ここは、誤解してほしくないところです。
この記事で言いたいのは、「お母さんが料理をすることが偉い」という話ではありません。
お父さんが料理をしてもいい。
子どもが料理を手伝ってもいい。
家族みんなで作ってもいい。
それぞれの家庭で違っていいと思います。
今回「母親の姿」を切り口にしているのは、親子留学を検討しているお母さんにとって、身近な生活場面として想像しやすいからです。
大切なのは、親自身が知らない環境の中で、どう生活しているかということです。
分からないから誰かに聞く。
失敗したからやり方を変える。
知らない食材だから調べてみる。
家族のために、できる方法を考える。
そういう姿を、子どもは見ています。
「生きる力」は、特別な授業だけで育つものではない
私は、DEECで大切にしている「選択肢教育」も、こういうところにつながっていると思っています。
選択肢教育というと、子どもにたくさんの学校や仕事、進路を教えることをイメージするかもしれません。
もちろん、それも一つの意味ではあります。
でも、それだけではありません。
「分からないことがあっても、自分で考えて進むことができる」
その感覚を持つことも、選択肢教育の一つだと私は考えています。
分からなくてもやってみる
失敗しても考え直す
知らないものを知ろうとする
誰かに聞く
自分で選ぶ
家族のために工夫する
こうした小さな経験が積み重なることで、「分からないからできない」ではなく、「分からないけれど、ちょっとやってみよう」と考えられるようになるかもしれません。
それは、将来どんな道を選ぶかという話だけではありません。
日常生活の中で、自分の力で次の一歩を考えるための土台にもなると思います。

現地で料理をすると、街の見え方も変わってくる
料理をするようになると、それまで何となく見ていた市場やスーパーの景色も少し変わります。
「この野菜は料理に使えるんだ」
「この魚はこうやって売られているんだ」
「この食材は日本と少し違うな」
そんな発見が出てきます。
観光で市場を見る場合と、今日の夕食の材料を探しに市場へ行く場合では、同じ場所でも見えるものが違います。
観光客として見るのではなく、暮らす側から街を見るようになるからです。
私は、親子留学の面白さは、この「見る側が変わること」にもあると思っています。
こうした「暮らす側から街を見る」という感覚は、親子留学で実際に生活してみるからこそ分かることでもあります。
「親子留学は「観光」ではなく「暮らす」経験|買い物・料理から学ぶ海外生活」 も参考にしてください。
では、実際にフィリピンの家庭ではどんな料理を作るのか
ここまで読んで、「実際にはどんな料理を作れるの?」と思った方もいるかもしれません。
DEECでは、ドゥマゲッティで手に入る食材を使ったローカル料理の記事も紹介しています。
例えば、「ピナクベット」は、市場で買えるローカル野菜を使って作る家庭料理です。
日本ではあまり馴染みのない野菜も、現地で実際に暮らしてみると、毎日の食卓の材料になっていきます。
また、ウタン・ビサヤやチキン・ビナコル、トゥシノ、ギニサン・モンゴなど、フィリピンの家庭料理を題材にした記事もあります。
これらの記事は、単なるレシピ紹介として読むだけではなく、「現地で暮らすと、こんな経験ができる」という具体例として見てもらえたらと思っています。
例えば、こちらの記事です。
「ドゥマゲッティで作る『ピナクベット』|市場で買えるローカル野菜を親子で楽しむ家庭料理」
料理そのものだけではなく、現地の食材を知り、市場で買い、家族で料理するという生活の一場面を見ることができます。
料理は「英語の勉強」ではなくても、学びになる
親子留学というと、どうしても「今日は何時間英語を使ったか」「どれくらい英語を話せるようになったか」というところに目が向きます。
もちろん、英語は大切です。
でも、子どもの成長を英語力だけで測る必要はないと思います。
知らない野菜を見た。
分からないから聞いてみた。
買ってみた。
料理してみた。
思った味と違った。
次は少し変えてみようと思った。
家族で食べた。
こうした一つひとつの経験も、海外で生活するからこそ生まれる学びです。
子どもに「何をさせるか」より、親がどんな姿を見せるか
親子留学を考えるとき、私たちはつい「子どもに何をさせよう」と考えます。
英語を勉強させよう。
現地の人と話させよう。
いろいろな場所へ連れて行こう。
もちろん、それも大切です。
ただ、私はもう一つ、こんな考え方があってもいいと思っています。
「自分自身が、海外でどんな姿を見せるのか」です。
分からないことがあったときに、すぐに諦めるのか。
それとも、調べてみるのか。
誰かに聞いてみるのか。
自分で選んでみるのか。
失敗したら、もう一度考えるのか。
子どもに「挑戦しなさい」と言うより、親自身が小さく挑戦している姿を見せる。
そのほうが、子どもの心に自然に残ることもあるのではないでしょうか。
親子留学だからこそ、「一緒に暮らす」ことに意味がある
親子留学は、子どもだけが海外へ行く留学とは違います。
親も一緒に生活します。
だからこそ、学校の外で起きることを親子で共有できます。
買い物をする。
料理をする。
食卓を囲む。
知らないものに出会う。
少し困る。
考える。
工夫する。
そして、また次の日を迎える。
こうした普通の生活の中に、親子留学ならではの教育的な価値があると私は思っています。
「生きる力」は、派手な体験だけから生まれるわけではない
海外に行くと、どうしても特別な体験をさせたくなります。
観光地へ行く。
アクティビティをする。
いろいろな場所を見る。
もちろん、そうした経験も楽しいものです。
でも、子どもの記憶に残るのは、必ずしも特別な体験だけではありません。
いつものスーパー。
市場で選んだ野菜。
家で一緒に作った料理。
家族で囲んだ食卓。
そして、そのときに見たお母さんの姿。
「分からないけど、やってみよう」
そんな姿が、静かに子どもの中に残っていくこともあると思います。
親子留学で大切なのは、子どもを変えることだけではない
私は、親子留学を「子どもを成長させるための場所」だけで考えなくてもいいと思っています。
親自身も、海外で少し不便な生活をする。
分からないことに出会う。
自分で考える。
時には失敗する。
そして、またやってみる。
その姿を、子どもと一緒に経験する。
そう考えると、親子留学は「子どものためだけの留学」ではなくなります。
家族全員が、知らない環境の中で暮らしてみる経験になります。
「こんな暮らしもある」と知ることが、選択肢になる
DEECが大切にしている「選択肢教育」は、将来の進路を増やすことだけではありません。
日本とは違う生活があることを知る。
知らない食材があることを知る。
分からないことがあっても、調べたり聞いたりすれば前に進めることを知る。
自分で選んで生活を組み立てられることを知る。
そして、
「自分の知らない世界でも、何とかやっていけるかもしれない」
と思えること。
私は、これも大きな「選択肢」だと思っています。
親子留学は「英語を学ぶ場所」から「暮らしを学ぶ場所」へ
英語を学ぶ。
それは親子留学の大切な目的の一つです。
でも、それだけではありません。
現地で買い物をして、食材を選び、料理をして、家族で食べる。
その一つひとつの中に、海外で生きるための小さな経験があります。
そして、その経験をしている親の姿を、子どもは見ています。
私は、ここに親子留学のもう一つの価値があると思っています。
「子どもに何を学ばせよう」と考えるだけではなく、
「自分は海外で、どんな姿を子どもに見せられるだろう」
そんな視点を持ってみる。
それだけでも、親子留学の見え方は少し変わるかもしれません。
親子で海外に「暮らしてみる」という選択肢
親子留学は、学校へ行って英語を学ぶだけのものではありません。
現地で生活する。
買い物をする。
料理をする。
家族で食卓を囲む。
知らないことに出会う。
そして、親も子どもも一緒に考える。
そんな時間そのものが、家族にとって一つの学びになることがあります。
もし「子どもに英語を学ばせたい」というところから親子留学を考え始めたとしても、少しだけ視野を広げてみてください。
「海外で暮らす親の姿を、子どもに見せる」
という教育もあります。
DEECでは、学校だけではなく、現地での生活や親子の時間まで含めて、家庭ごとにどんな親子留学が合うのかを一緒に考えています。
「自分たちの場合は、どんな生活になるんだろう」
そんな段階でも構いません。
親子留学について考える中で分からないことがあれば、どうぞ気軽にご相談ください。
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親子留学マンガ 第39話 一緒に作ろう!

